税理士の経営・財産・相続トピックスVol.093「日本人は「引き算」が苦手」
日本人は「引き算」が苦手
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二
日本経済新聞に「現代人は引き算が苦手」という記事が大きく載っていました。
足して積み上げていくことは得意であるが、今まであったものを「止めたり」「無くしたり」「転換したり」が苦手というようなことの内容でした。
なるほど、確かに伝統は多いが、革新的なことは多くありません。日本人の特徴なのでしょう。
積み上げることや伝統を承継することは悪いことはないですが、環境や人材が変化すれば当然にビジネスも変化していく必要があります。そして革新性は損益計算書に表現されます。
「K」で始まるものはわかりやすいです。
研究費、研修費、広告費、交際費。勘定科目の金額ではなく、それぞれの内容と項目の変化を見てください。
科目の動きではなく内容を変化させることが重要です。
研究費が多いか少ないかではなく、その内容はどうなのか。
同じ研修内容の繰り返しで人材のレベルはあがるのか?同じ広告で効果あるのか? 同じ相手との接待ばかりで意味はあるのか?
「たし算」は先輩や先人に見栄えがいいかもしれません。
「ひき算」は勇気が必要そうです。
日本経済新聞の記事の締めくくりに「引いてはいけない物まで引かないように!」との注意書きもありました。
なんでもかんでも止めてしまえではないのですね。
しかし、この数年は変化をさせやすい環境であることは間違いありません。
2代目、3代目の方は「たし算」ではなく、「ひき算」「かけ算」「わり算」、積み上げではない発想で損益計算書の費用項目の「内容」を見てください。
お金の使い方が楽しくなります。
100年注ぎ足しの秘伝の「たれ」も美味いですが、もしかしたら新しく作った「たれ」も美味いかもしれませんね。
2021年6月1日
日本経営ウイル税理士法人
代表社員税理士 丹羽修二
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事業・国際税務
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